コックカワサキの魂

魂は死んでないんじゃないの〜?

シティボーイのはずなのに…

 あまりこういうことを自分から言う人は少ないとは思うが、最近そうなのではと自覚し始めたのでここで言わせて欲しい

私はシティボーイである

正直こんな事を自覚して言っている時点でかなりやばいのだがあまりにも称号の割に恵まれていないという現実があるので、今日は私こと生粋のシティボーイの悩みを聞いてほしい。

 私は生まれて二十年少々ずっと東京に住んでいた、何なら三代以上東京にいるので江戸っ子でもあるのだ、てやんでい。主に東東京にいて、東京の観光スポットなんていうのは見慣れていた、生活の一部であった。中学高校の頃は東京住み、東京育ちなんてものはそこまで珍しくなかったが、大学に入ると環境が一変した。

 周りはほとんどが非東京の人間だらけで、随分と地方住みと東京住みの感覚の差には困惑した、その中でも一番困惑したと言ってもいいのは、服装の問題であった。単純に大学生というものがおしゃれをしたがる年代という事もあってか、周りがおしゃれになってきた。その中の理由に恐らく、「東京に来たからおしゃれをしなきゃ」という感覚もあるのだろう、こちらとしてはいい迷惑でずっと東京にいるのだから、東京というものは別に張り切っておしゃれをしたりブランド物に身を包まなければいけない場所ではない、と思っていた。そんなもんだから多少の焦りはありつつも、高校の頃からあまり変わらない格好で大学に通っていた、周りがおしゃれになっている中で高校の頃と同じ格好で大学に通うのはシティボーイなりのささやかな抵抗であったのだろうか、

「俺はこんなダサい格好でも登校できるぞ、なぜならシティボーイだから、東京でも肩肘張らずに生きてるってわけ」

これではシティボーイでも意味がなさすぎる、メンタルが田舎者すぎる、シティボーイと言ってもおしゃれな店も、ブランドも、曲も何もかも知らない、ただ高層ビルや観光施設を見慣れているだけの人であるということに気づく頃には21になろうとしていた、焦っておしゃれだと思えるような服を買って、慌てて地方出身者に合わせた、これじゃあどっちがシティボーイかわからないよ。

 どうやらただ東京に生まれて東京に生きているだけではシティボーイにはなれなさそうだ、流行の最先端の土地にいるのだから、そういったものにアンテナをビンビンに立てていきながら、多方面におしゃれでなければ、真のシティボーイになるのは難しそうだ。生まれた立地に高を括って、のんびり生きているだけではどうやらシティボーイ戦線からは脱落させられてしまうらしいそれに気づくのに21年かかったのは恥ずかしいことである。

 心の師は永井荷風かと思っていたがこれはどうやら心の師はTik Tokとかで探さなければいけなさそうだ、極端かな。